2015年02月27日

睡眠時無呼吸症候群

大きないびきとともに、呼吸が何度も止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、心筋梗塞や脳卒中などにつながることもある危険な病気です。肥満のある中年の男性のほか、あごの小さい人や、更年期以降の女性にもよく見られるため、注意が必要です。大きないびきをかいていても本人は気づかないので周囲の人が気づいてあげることが大切です。

睡眠中に大きないびきをかき、呼吸が止まる

睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」の患者さんは、中年の男性に多く、日本では約300万人いるといわれています。しかし実際に治療を受けているのは、そのうち10万人程度です。睡眠時無呼吸症候群とは、一晩(7時間以上の睡眠中) に、10秒以上続く無呼吸が30回以上、あるいは1時間に平均5回以上起こる場合を指します。
睡眠中、大きないびきをかき、いびきが突然止まると同時に呼吸も一時的に止まります。その後、大きないびきとともに呼吸が再開します。これを一晩中何回も繰り返します。しかし、睡眠中のことなので、本人はいびきや無呼吸に気づきません。呼吸が再開するとき、本人は気づかないものの脳は目覚めるため、深い睡眠がとれず、熟睡感が少なくなります。さらに、昼間に強い眠気が起こり、居眠りが多くなります。そのほかにも、日中に「疲労感がとれない」「体がだるい」「集中力が低下する」などのさまざまな症状が現れます。記憶にまだ新しいところでは、「JR福知山線の脱線事故」もこの病気が原因でした。

肥満やあごの骨格のほか更年期のホルモン変化も原因に

睡眠中に呼吸が止まる原因のほとんどは、呼吸のときに空気が通る上気道が、のどの軟口蓋や口蓋垂、舌の付け根(舌根)ふさなどで塞がれてしまうことです。重力で舌根などが落ち込み、狭くなった上気道を無理に空気が通るときの振動音が、いびきです。
気道が完全に塞がれると空気が通らなくなり、呼吸が止まります。上気道が塞がれる原因で最も多いのは、「肥満」です。肥満のある人は、軟口蓋やのどの周囲などにも脂肪がついており、気道が狭くなりがちです。首が短くて太い人も、同様です。肥満がなくても、あごの骨格が小さな人は、あお向けに寝たとき、舌根がのどの奥に落ち込みやすく、上気道が狭くなります。更年期以降の女性も注意が必要です。更年期以降は、脳の呼吸中枢を刺激する作用をもつ女性ホルモンの分泌が極端に減少するため、発症しやすくなります。

うるさい大きなイビキと無呼吸には注意 「睡眠時無呼吸症候群」

重大事故を引き起こしやすく合併症の原因にも

  • 昼間の眠気による影響
    眠くて体がだるいため、仕事や勉強などに対するやる気が失われ、QOL(生活の質)が著しく低下してしまいます。強い眠気は、大切な会議や商談中など、通常は眠くならないような場面でも起こるため、社会生活に大きな影響を与えます。さらに、強い眠気のせいで交通事故や危険な作業での事故を起こしてしまい、自分だけではなく、周囲の人の命にかかわる危険性も高くなります。
  • 酸素不足による合併症
    睡眠中に呼吸が止まると、慢性的に酸素不足が続きます。すると心臓や全身の血管に負担がかかり、血圧が上がります。さらに睡眠時無呼吸症候群の患者さんには、肥満がある人が多く、「糖尿病」や「高脂血症」などを合併していることもあります。これらのことから、「狭心症、心筋梗塞、脳卒中」など、命にかかわる病気を引き起こす危険性が高くなります。ただでさえ、現代人は酸素が足りないとわれています。

睡眠ポリグラフ検査で診断

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、呼吸器科など、睡眠時無呼吸症候群に詳しい診療科を早めに受診しましょう。問診では、いびきや無呼吸の有無やその程度、肥満の状態、昼間の眠気などを詳しく聞かれます。
ただし、睡眠中のことは本人にはわからないため、寝室をともにしている家族に同行してもらうとよいでしょう。睡眠中の状態を正確に知るために行われるのが、「睡眠ポリグラフ検査」です。一般的には、一晩入院し、検査用の端子を体につけて就寝します。そして、就寝中の脳波や心電図、胸部・腹部の動き、鼻と口の空気の流れ、眼球の動き、動脈血中の酸素濃度などを、連続して記録します。

治療

鼻マスクを装着して眠る、「CPAP療法」が主に行われます。CPAPは、小型の装置で一定の圧力をかけた空気を鼻から送り込み、気道を広げて、無呼吸を防ぐものです。目覚めがすっきりして、日中の眠気が治まる効果が期待できます。比較的軽症の場合、歯科で「マウスピース」を作成し、装着する方法もあります。これらの治療を行うほか、肥満のある人は肥満の解消に努めることも大切です。
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2015年02月25日

中高年の不眠はすぐに目が覚めてしまう

中高年の場合は、夜中に目が覚めてしまったり、早朝に目が覚めたりといったタイプの不眠に悩む人が多く見られます。生活パターンの変化のほか、睡眠の病気やうつ病などが原因となっていることもあるので注意が必要です。

中高年に増加する中途覚醒」と「早朝覚醒」

年齢が高くなるほど、不眠に悩む人が増えてきます。中高年の不眠に多いのは、「中途覚醒」と「早朝覚醒」です。中途覚醒は、一度眠りに入ってから朝起床するまでの間に、何回も目が覚めてしまうタイプの不眠です。目が覚めてからしばらく眠れず、睡眠がとぎれるため、熟睡感が得られません。早朝覚醒は、起きる予定の時刻や、いつもの起床時刻より2時間以上早く起きてしまい、その後は再び眠ることができないタイプの不眠です。

生活習慣や病気が原因になることが多い

  • 中途覚醒
    中高年の年代は、退職や子どもの自立などで、生活パターンが変化しがちです。仕事や子育てなどで忙しかったころより、おのずと運動量が減ります。また時間に縛られることが少なくなり、床にいる時間が比較的自由になります。運動量が減ることなどで、必要な睡眠時間も若いころよりも減ります。必要な睡眠時間よりも長時間床にいると、途中で目が覚めやすくなります。また、加齢に伴って眠りそのものが浅くなることも、中途覚醒の原因の1つです。睡眠中に一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」や、脚のむずむず感で寝つけなくなる「むずむず脚症候群」など、加齢に伴って増える病気が、眠りを妨げることもあります。
  • 早朝覚醒
    体内時計の周期が加齢によって短くなることが、早朝覚醒の大きな原因です。周期が短くなると、体内時計が進んでしまいます。そのため、夜早くから眠ってしまい、早朝に目覚めてしまうことになります。早朝に目覚めて光を浴びると、さらに体内時計が進んでしまい、ますます早くから眠ってしまうようになります。また、軽症のうつ病が、早朝覚醒の原因になることもあります。うつ病による早朝覚醒は、目が覚めても気分がすぐれず、床からなかなか出られないのが特徴です。起きているときも、物事を楽しめなくなつたり、食欲が落ちたりします。
  • 薬が原因になる場合も
    高血圧の薬、ステロイド薬、インターフェロンなどの薬が、不眠の原因になることもあります。不眠の症状があれば、まずはかかりつけ医に相談することが大切です。

生活パターンを見直し病気があれば優先的に治療する

  • 中途覚醒の対処方法
    うとうとする時間も含め6〜7時間をめどに、床にいる時間を少し短くして、「遅寝早起き」の生活に変えます。毎日続けられる適度な運動を習慣づけ、生活にメリハリをつけることも大切です。病気が原因の場合は、その治療を受けて、睡眠を妨げる要因に対処しましょう。
  • 早朝覚醒の対処方法
    体内時計が進んでいることが、早朝覚醒の原因の場合は、体内時計を少し遅らせるよう調整します。具体的には、早朝に体内時計のスイッチが入らないよう、朝起きてすぐに太陽の光を浴びないようにします。夜は、リラックスしてできる楽しみを見つけ、就寝時間を少し遅くしてください。うつ病が疑われる場合は、できるだけ早く精神科や心療内科などを受診し、治療を受けてください。
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2015年02月24日

若い人の不眠はすぐに寝付けない

若い人の不眠で多いのは「すぐに眠れない」という症状です。原因としては、布団に入る前にリラックスできていないことや、精神的なストレス、生活のリズムの遅れなどがあげられます。

眠れない状態が続くと心身が不安定になる「不眠症」

悩みごとなどがあって、なかなか寝つけをいことは、誰にでもあります。このような一過性の不眠は、通常は問題ありません。しかし、次のような場合は注意が必要になります。
  • 布団に入っても眠れない」「夜中によく目が覚める」などの不眠の症状が、週の半分以上ある。
  • 不眠が1ヶ月以上続く
  • 不眠が続いて心身が不安定
このような場合は、「不眠症」と考えられるため、治療が必要となります。

若い人に多いのは入眠障害と宵っ張りの朝寝坊

不眠は、大きく4タイプに分けられます。布団についてもなかなか眠りに入るこができない「入眠障害」、睡眠の途中で何回も目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、睡眠時間は十分なのに深く眠った気がしない「熟眠障害」です。このうち、20〜30歳代の若い人に多いのは、入眠障害です。入眠障害とは、床についてから眠りに入るのに30分〜1時間以上かかり、本人がそれを苦痛に感じる場合を指します。
また、いわゆる「宵っ張りの朝寝坊」が多いのも、若者の特徴です。夜遅くのある一定の時刻にならないと眠れず、いったん眠りにつくとぐっすり眠ってしまい、朝なかなか起きられません。10歳代後半から20歳代前半の若者に多く見られ、勉強や仕事に大きな支障を来します。宵っ張りの朝寝坊は、長期休暇の後などにも見られることがありますが、長く続く場合には治療が必要です。

寝つけない原因

若い世代の不眠の原因で多いのは、精神的なストレスです。仕事での緊張感が夜まで持続したり、仕事や私生活での心配ごとや悩みがあったりすると、なかなか寝つけなくなります。また、一度うまく眠れないと、「また眠れないのではないか」と不安になり、ますます寝つけなくなります。夕食後にコーヒーなどのカフェインを含む飲み物を飲んだり、寝る前に喫煙したりすることも、神経を興奮させ、不眠の原因になります。また、宵っ張りの朝寝坊は、遅くまで起きている夜型生活が続いたために、体内時計が遅れてしまうこともあります。

リラックスしながら同時に生活習慣を正す

眠りに入るには、心身がリラックスしている必要があります。帰宅した直後は心身がまだ緊張しているため、すぐには眠れません。床につく前の1時間半くらいは、入浴したり好きな音楽を聴いたりして、リラックスする時間を確保しましょう。
また、無理に眠ろうとせず、眠くなってから床につくようにします。床についても眠れなければ、床を一度離れて気分転換するとよいでしょう。宵っ張りの朝寝坊の解消には、朝起きたらすぐに太陽の光を浴びたりして、体内時計を調節する必要があります。

不眠が続いたら受診

不眠が続くようなら、1人で悩まずに精神科や心療内科、不眠外来などを受診することが大切です。かかりつけ医がいる場合は、まずはかかりつけ医に相談するといいでしょう。

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posted by sleeplessness at 19:54 | Comment(0) | 若い人の不眠