2015年02月25日

中高年の不眠はすぐに目が覚めてしまう

中高年の場合は、夜中に目が覚めてしまったり、早朝に目が覚めたりといったタイプの不眠に悩む人が多く見られます。生活パターンの変化のほか、睡眠の病気やうつ病などが原因となっていることもあるので注意が必要です。

中高年に増加する中途覚醒」と「早朝覚醒」

年齢が高くなるほど、不眠に悩む人が増えてきます。中高年の不眠に多いのは、「中途覚醒」と「早朝覚醒」です。中途覚醒は、一度眠りに入ってから朝起床するまでの間に、何回も目が覚めてしまうタイプの不眠です。目が覚めてからしばらく眠れず、睡眠がとぎれるため、熟睡感が得られません。早朝覚醒は、起きる予定の時刻や、いつもの起床時刻より2時間以上早く起きてしまい、その後は再び眠ることができないタイプの不眠です。

生活習慣や病気が原因になることが多い

  • 中途覚醒
    中高年の年代は、退職や子どもの自立などで、生活パターンが変化しがちです。仕事や子育てなどで忙しかったころより、おのずと運動量が減ります。また時間に縛られることが少なくなり、床にいる時間が比較的自由になります。運動量が減ることなどで、必要な睡眠時間も若いころよりも減ります。必要な睡眠時間よりも長時間床にいると、途中で目が覚めやすくなります。また、加齢に伴って眠りそのものが浅くなることも、中途覚醒の原因の1つです。睡眠中に一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」や、脚のむずむず感で寝つけなくなる「むずむず脚症候群」など、加齢に伴って増える病気が、眠りを妨げることもあります。
  • 早朝覚醒
    体内時計の周期が加齢によって短くなることが、早朝覚醒の大きな原因です。周期が短くなると、体内時計が進んでしまいます。そのため、夜早くから眠ってしまい、早朝に目覚めてしまうことになります。早朝に目覚めて光を浴びると、さらに体内時計が進んでしまい、ますます早くから眠ってしまうようになります。また、軽症のうつ病が、早朝覚醒の原因になることもあります。うつ病による早朝覚醒は、目が覚めても気分がすぐれず、床からなかなか出られないのが特徴です。起きているときも、物事を楽しめなくなつたり、食欲が落ちたりします。
  • 薬が原因になる場合も
    高血圧の薬、ステロイド薬、インターフェロンなどの薬が、不眠の原因になることもあります。不眠の症状があれば、まずはかかりつけ医に相談することが大切です。

生活パターンを見直し病気があれば優先的に治療する

  • 中途覚醒の対処方法
    うとうとする時間も含め6〜7時間をめどに、床にいる時間を少し短くして、「遅寝早起き」の生活に変えます。毎日続けられる適度な運動を習慣づけ、生活にメリハリをつけることも大切です。病気が原因の場合は、その治療を受けて、睡眠を妨げる要因に対処しましょう。
  • 早朝覚醒の対処方法
    体内時計が進んでいることが、早朝覚醒の原因の場合は、体内時計を少し遅らせるよう調整します。具体的には、早朝に体内時計のスイッチが入らないよう、朝起きてすぐに太陽の光を浴びないようにします。夜は、リラックスしてできる楽しみを見つけ、就寝時間を少し遅くしてください。うつ病が疑われる場合は、できるだけ早く精神科や心療内科などを受診し、治療を受けてください。
posted by sleeplessness at 13:30 | Comment(0) | 中高年の不眠